知恩院参道を逆流して今度は東大路通りを向こう側へ渡って、祇園町北側に入ります。南へ下ると大きなモザイク壁画の祇園会館が見えてきます。 映画の二本立て興行、食べ物持ち込み自由、出入り自由という、昭和の郷愁がいっぱいの懐かしい名画座です。今日は韓国の恋愛映画特集ということで、お弁当をもった地元のおばちゃんたちがてんこ盛りでした。時々、お支度前の舞妓さんもやってくるそうです。 ロビーには、その昔使っていたという映写機が展示してありました。ここの支配人さんがまだ新入社員のころ、まず映写技師の仕事をするために技術をたたきこまれたとのこと。時代を感じます。 |
|
祇園会館 映画館 | 祇園会館 映写機 |
そこから西に歩いていき、目指す新橋通は花街・祇園発祥の地だということで、京情緒溢れる素晴らしい家並みが今も残っており、有名な観光名所。また家並みの手前に架かる巽橋も有名です。変身舞妓さんが橋の上でポーズを取っていました。 | |
祇園 京情緒溢れる素晴らしい家並み |
祇園 まる捨て |
さて、少し疲れたので巽橋を渡って四条通まで下がります。少し歩いて目に入った「まる捨て」で休憩をすることにしました。最初店主の老婦人と常連らしきおばあさんが話しこんでいましたが、僕が店に入ると、 「いらっしゃい、何にします?」 「ハムサンドとバナナジュース下さい。」 店は5人入れるかどうかといったくらいのキャパシティしかないのですが、一人でゆっくりしたかったのでちょうど心地よい広さでした。ハムサンドとバナナジュースが来たので、再び話し始めた老婦人とおばあさんの他愛もない会話を密かに聞きながら、ゆっくりとしました。 |
次に縄手通りを北へ向かっていくと、右手側に美術の街・新門前の看板が見えてきました。その看板の通り、新門前通とその一本上の古門前通には、古美術商・美術商が軒を連ねています。(古門前は骨董通という別名もあるそうです。)冷やかしで入っていいものかどうか迷う店もありますが、気軽に入っていける店も多々あります。 例えば、古門前にある思文閣ギャラリー。趣きある美術品がズラリと並んでおり、美術素人の僕もその美しさに圧倒されます。(写真は残念ながら許可が出ませんでした。)また鐡斎堂も中に入って気軽に品定めができます。 |
|
祇園 美術の街・新門前 |
祇園 美術の街・新門前2 |
美術品を見終わるともう暗くなりかけていました。縄手通をそのまま北に上り、京阪三条駅へ到着で散歩は終わり。今日は結構歩きました。 |
祇園北側は南側よりもネオン街という呼称がぴったりで、夜から始まる店ばかりが並んでいます。ネオンサインがまぶしい、いわば新しい祇園です。その中にあって新橋、古門前、新門前通は一定のスタンスを保っているような気がして少しうれしくなりました。また冷やかしに行って来ようと思います。 |
さんぽ 中村 吉宏 |