年を重ねた古道具を求めて 古門前町、新門前町を歩いてみましょう。 久し振りのにわか雨に嬉しくなった京の街も人も すっぽり濡れて生まれ変わったように潤っています。 頭上の電線が低く感じられるような狭い道を 曲がるともう骨董屋さんが軒並みです。 さぁー、今日はどんな出会いがあるのでしょうか。 |
お店から出ると先ほどの雨もやんで、渡る石橋に小さな水溜りが幾つか出来ています。ふと、白川を見ると4羽の水鳥が仲良く遊んでいます。川で水ごけをついばんでいる姿が可愛らしく、思いがけず出会った京の風情でした。 かしこまった骨董を見ているととても緊張してしまって疲れが出るものです。ちょっとこの辺で秋の始まった白川のほとりを歩いて風に吹かれましょう。 |
辰巳稲荷で道は二股に分かれており、辰巳通に沿って白川が流れています。江戸時代からの遊興の地で、たそがれ時ともなるとお座敷に急ぐ舞妓さんや芸妓さんがあちこちで見られます。 特に白川にかかる巽橋のあたりは紅殻格子に駒寄せ、2階窓のすだれも粋なお茶屋さんが石畳をはさんで立ち並び辰巳神社がしっとりとした情緒をかもし出しています。この界隈は「重要伝統的建物群保存地域」に指定されているのも頷けます。 |
『京都に来たらまずここへとすすめられたのが新門前界隈でした。骨董は「滅びの美」といって壊れるからいいのです。それを大事に人間が守って伝承していく。永い間、人の手を渡ってきた道具は見る人の心を癒しなごませてくれます。』 |
これは「花伝堂」のご主人のお話です。 京都にはまだこんな旧い街並みに個性豊かな骨董屋さんがあって、趣向を凝らし競いあっているのですね。なかなか敷居が高くてはいりにくいというのが本音ですが、ぜひ友達を誘って思い切って一軒目の店をトライしてみましょう。「こんにちはー」といながら戸を開けてみることです。これができるとどんな店も怖くない!! 店の人が笑顔で話し掛けてくれればもう話はどんどん進みます。「入門編」は卒業です。 |