えらい(偉い)」
1)尊敬できる 2)たいそう、大変、誠に 3))辛い、きつい、疲れる 4)とんでもない。
たった一言でこれだけ意味があったら、「えらいなあ」「えらいお人やなあ」と言われても
素直に喜べません。必ずしも「尊敬できるような偉い人だ」と言われているというわけではないからです。
更に「えらい」を連発させられると何だかからかわれているような、余計に複雑な気分になります。
「何だかたいそう(大袈裟)な事だなあ」「難しい、疲れる人だ」という意味とも取れます。
京都弁ってえらい変な方言ですね。
おじいさん、おばあさんくらいの世代の人は、何か人から物を貰った時やお世話になった時に
「えらいすんまへんなあ(誠に申し訳ない)」、待ち合わせなどに遅れたときには「えろう、遅うなってしもて」
と言っているのをよく聞きます。一歩引いた言い回しをしてはいますが、「いやいやこっちこそ。
遠くからえらいこっちゃなあ(遠くから大変だったでしょう)」「い〜やいやえらい迷惑かけてしもうて」
と当事者同士でぺこぺこ何度も頭を下げていられると、第三者は「はよ出掛けようや」と
イライラしてしまうことも(笑)。
もう少し年齢層が若くなると、「京都まつり、えらい人(人出が多い)やったでー」とか、
道に迷って「えらいとこ(所)に来たなあ or 来てしもた」、あるいは「このぬいぐるみ、えらいぶっさいくやなあ」、
渋滞に引っかかって「えらい目に会ったわorおうたわ」。
勿論同じ京都人と言っても、住んでいる環境によって京都弁色の濃い人もいれば、大阪弁寄りの人もいますが、
「えらい」はちょっとおどけて冗談っぽく言えば、まだまだ使える京言葉と考えて良いでしょう。