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【第9回 花街の格式】

市田ひろみさんの

第9回 花街の格式

一人前の舞妓、芸妓に育てるためには、お行儀から芸事万般をきちんとしつけられます。
お座敷に出してもらえるようになるまでには、下働きをして初めて芸事の稽古を
させてもらえるのです。そして毎日研鑚するのです。 なかなか厳しいようですよ。


こうした特訓をうけてきただけあって、芸妓さんにはチャーミングな人がとても多いのです。
男の人だけでなく、女の人でも芸妓さんの人柄にひかれてファンに なるくらいです。
また、どんなにエライ人、気難しい人が来てもお相手ができるだけの才覚があります。
京都の芸妓は昔 から芸で立つとい心意気があって、
京舞、太鼓、三味線、お茶、お花
どれをとっても一流の腕前です。そうしたプライドに支えられて、政財界の大物や大会社の
社長さんを相手にしても芸妓さんはけっして物おじしません。相手がだれであろうと
「ハハーッ」 なんてことはしないし、平気でボロカスにいって会話を楽しんでいます。




市田ひろみ著「京の底力」 ネスコ文芸春秋より


私事ではありますが、一人仲良しになった舞妓さんがいます。とあるお茶やさんでのお茶の
お稽古で出会い、長く世間話をしていた事もあります。彼女は いつも女将さんに
怒られてばっかりだったようです。


舞妓さんもやっぱり普通の女の子。京都では舞妓さんがキティちゃんの巾着を下げて歩いていたり、
仲良く二人でファッションビルで買い物をしている姿(ど んな服を買ったのか気になりますね)を
時々見かける事があります。


おたのもうします〜」と、か細い声で現れ、頭に乗っけたお飾りを見せてくれたりと
とても可愛らしい舞妓さんです。でも私とプライベートな内容の話をしている時であっても、
彼女の話し振りは立派な舞妓さんでした。晴れの舞台でも、いつも困ったような顔をしていた初々しい彼女も、
いつしか忙しくなっていき、会う機会が随分減ってしまいましたが、それだけ彼女を必要としてくれて
いる人たちが増えていくのはいいこと だと思います。


先日雑誌に載っていた彼女の顔は以前より引き締まり、その首を愛らしくかしげていました。
失敗して叱られながらもたくさんのお稽古事をこなし、あらゆる お客さんたちとの出会いのなかで、
彼女も色々と話術や舞いのセンスを磨いていった事でしょう。「おねえさん、おねえさん」 と親って
くれていた日々が懐かしく、少し寂しくなってしまいますが、またいつか彼女とお茶屋遊びなんかを
してみたいと思っています。

まとめ:e京都ねっと 小山


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