9月のこのシリーズも三回目を迎えました。他家の中にお邪魔したら、必ずと言っていい程お茶とお菓子が
出されますね。亭主と面と向かって食べるのですから、美しく上品に振る舞いたいですね!
お茶とお菓子の受け渡し
美しくいただくことができれば、最高の作法を身に着けている、と評価されましょう。
お茶をいただくときには「間」 の取り方が大切です。十分に味わって飲んでいる、というしぐさが
心遣いとなります。
お茶のいただき方
茶たくを手元に引き、右手でふたを取りしずくを茶碗の上でそっと落とします。 | 左手でふたの左ふちを、右手でふたの右ふちを持ち、ふたの裏が上になるように茶 たくとテーブルの間に差し込みます。 | 両手で持ち、左を糸底に添え、正面を左手前に少しずらしていただきます。 |
茶菓の出し方 (真形)
盆はテーブル(座卓)に下座において客の正面に座ります。 | 右手で茶たくをとり、左の手のひらにのせ、茶たくを持って右に回し、正面を客に向け右前に出します。 | お菓子はお茶よりも先に出すようにし、お茶と同様に右にまわして出します。 |
茶碗を直接手で持つと熱いだろうからという配慮から、茶たくの上に乗っていることが多いはずです。
正式ないただき方は、まず右手、左手の順に出して茶たくを取り、左手の上に乗せ、右手を茶碗に添えて
黙礼をします。そのまま右手で茶碗を持ち、左手で 茶たくを左手で戻します。とはいえ、一般的には、
茶たくまでは取らないで右手、左手の順に直接茶碗を持たれてもよいでしょう。
お茶は、味と香りと色でいただきます。 まず最初の一口で味わい、次の一口で香りを楽しみ、
最後の一口を口にするとき色を拝見します。茶たくの上 に茶碗を戻すときは、左手を添えるとよいでしょう。
飲むときは右手だけでもかまいませんが、女性でも男性でも目上の人の前では左手を茶碗の底に添えた方が
気持ちよく感じられます。飲み終わって茶たくの上に茶碗を戻したら、 正面から少し下座よりに
ずらしておきます。 これが飲み終わった合図になります。
お菓子のいただき方
懐紙の輪を手前に置きます。はしは、右手で上からとり、左手で受け、右手を下に持ち直します。 | 左手を菓子鉢に添えて、お菓子を懐紙にとります。 | はしを持ち直して懐紙で軽く拭いて元へもどします。 |
煎茶のいただき方と黒もじの扱い方
つまみを右手でつまみます。 | ふたを直角に立て、しずくを碗の中におとします。 | ふたの裏が上になるように持ちます。 |
茶たくとテーブルの間に、右側から差し込みます。 | 左手に茶碗をのせ、右手で囲うように持ちます。 | お菓子は黒もじで食べやすく切っていただきます。 |
ふた付きの茶碗の場合は、ふたを(絵の様に)差し込むと「カタン、カタン」と音がせず、
とても優雅なしぐさになります。
お茶の味わい方なんて初めて聞いたわ、という人もいるかもしれません。この様に一口ずつ
別の味わい方をしてみると、普段飲んでいるお茶がより美味 しく感じられるような気がします。
丁寧な仕草は単にその人自身を美しくみせるだけではなく、「あなたが 入れて下さったお茶を
美味しくいただいています」という気持ちの表現にもなっていたのですね。美味しそうに飲むお客を見て、
訪問された側もきっとほっとするはず。
美しい物腰で、出されたお茶も美味しく見せてしまう。
そんな魔法の様な「美人のオーラ」もあるのです。