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【第21回 畳の国の常識】

園山明子さんの

第21回 畳の国の常識

あなたが「着物美人」かどうかは、畳の上でも路上でも判断できます。かつて京都を訪れたとき、
一日舞妓さん(素人が舞妓さんに変身できるサービスがあるのです)が歩く姿を見かけたことのある方が
おられるかと思います。本物の舞妓さんかどうかは大抵一目でわかりますよね?それはどうしてなのでしょうか。


畳の縁や敷居は踏まない

さて、室内を歩く時、日本家屋だからこそ言い伝えられたマナーがあるのをご存じでしょうか。
畳の縁や敷居は踏んではいけない、
ということです。これは古くから子に孫に、と言い伝えられたマナーですが、
今日のように洋間が多くなってきますと、そんなこと聞いたことがない、と言う方が増えているようです。
 

実はこれは、古く武士の時代の出来事に由来します。忍者が武士をねらう時、座の下に忍びこみ、
座から光が漏れる所、つまり畳と畳の間、あるいは畳と敷居のすき間に刃を上向きにして待ち構え、
その光が消えたとき、すなわちその上を武士が踏み付けたと同時に刃を突き刺したと言われています。
そのような命の落とし方は武士として恥ずかしいことだと戒めたのが、畳の縁や敷居を踏んではいけない、
という和室を歩く時のマナーとなったのです。
 
 

■前姿 ■横姿
上体をまっすぐ伸ばし、肩の力を軽く抜きます。両手も軽くももにおきます。 右足からほどより歩幅で畳のへりを踏まないようにすり足であるきます。 背筋を伸ばし、あごを引き気味にします。両手は軽くももに置きます。 きもの裾が乱れないように、右足から気をつけて歩きます。

 

※(日本間)畳一畳分の長さを 四歩半から五歩で歩きます。


今の時代には忍者などいるわけもありませんから、畳の縁を踏むと擦れて弱くなる、また敷居を
踏むと立て付けが悪くなり狂いがでるという意味合いが 大きいものとなっています。
覚えおきたいマナーのひとつです。
 

日本人が考えだした襖という引き戸。日本の文化を語る建具の一つでもあります。
襖の開け方について、丁寧な方法から順に記してみましょう。

 

美しい歩き方(わそう)

以前、あるカメラマンが「平素から着物を着慣れている人とそうでない人の見分け方は、歩き方と立ちポーズにある」と
言われたことが印象に残っています。それほど着物姿と洋服姿の歩き方には違いがあります。和服姿で歩く場合は、
すり足といい、少 し内股気味にひざとひざが触れ合うように静かに歩きます。内股で歩かなければ、
着物の裾が割れて、足が見えてしまうからです。
 

<すり足>
内股でひざとひざが触れあうよう静かに歩きます。
※外股の人の為のアドバイス!
ひざのすぐ上を腰ひもで軽く縛り、歩く練習をしてみましょう!


両手を脇に置いて背筋を伸ばし、あごを引き気味にしますと、美しい歩き方になります。和服姿で外股に歩くのは、
見た目にはあまり美しいとは言え ません。どうしても外股になって困るというあなたには、ひとつアドバイスをしましょう。
 

すり足では静かに歩く。上体はまっすぐに伸ばし、肩の力は軽く抜き、あごを引き気味にする。荷物は左に持ち、右手は常に立棲にそえる。


着物姿で外を歩く時、腕をあまり大きく振らないようにしましょう。振袖のように長い袂を振りますと、
愛しい人の心をこちらに招くといういわれが あります。ですから結婚すれば袂を短く留め、
「色変わりすることなく、その家に一生とどまります」という女性の決意を表したのが黒留袖です。
そういうところにも日本の着物の持つロマンがうかがえます。
 

「美人のオーラ」は背筋から。着物美人を目指していきましょう!

『心の礼法 〜こころのおしゃれ 凛〜』より
まとめ:e京都ねっと 小山
 

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