京料理は見た目が美しい、目にもおいしい料理といわれます。
かぎられた素材をいかにおいしく食べさせるかを工夫すると同時に、
いかに美しく盛りつけるかが京料理の大切な要素になっています。
たとえば器ひとつとってみても、その形や大きさ、材質 まで含めてこれほど多彩な
食器を用いる料理は世界でもめずらしいでしょう。
ここでも、京都はいかに見せるかに心血を注い でいるわけです。
京都の高級料理店には、日本はもとより外国からも、料理人が客をよそおって食べにきます。
彼らは料理の作り方、盛りつけ方、かわった器、お店のし つらいなどをそこで勉強するのです。
だから、最近フランスのレストランでも日本の小料理屋のような蓋つきの器や、
大きな皿にちょっと盛るとか、花や葉をあ しらうことなどの演出が見られます。
フランス料理にも、京都のセンスが生かされているのです。