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【第22回 良質な日本語で話そう】

市田ひろみさんの

第22回 良質な日本語で話そう

森本毅郎さんの『ウオッチャー』というTBSの番組にレギュラー出演していたときのことです。
日本人が「『つまら ないものですけれど』といって、相手に品物を渡すことについて
どう思いますか」
というアンケートを東京の繁華街で行いました。
「つまらないものだったらあげなければいい」「あれは不自然だ」という意見が
60パーセントくらいあり、多数を占めていた
と 記憶しています。  


しかし、このアンケートを京都で行ったら、もう少し違う結果になっていたでしょう。
なぜなら、京都ではそのあとに「受けとっていただけたら嬉しいのですけれど」という
言葉が続くからです。言葉の前半だけでは含まれている意味が伝わりませんから、
「そんなつま らないもんやったらあげんといたらええ」となってしまいますが、
実は後半のほうに意味があるのです。
もっとも、最近では日本人の感覚も欧米化してきたのか、
「これ、すごくおいしいんですよ」「この時期だけしか食べられない んですよ」

自分でアピールして、相手に贈り物を手渡すこともふえてきたように思います。
そして、いただいた贈り物はその場で包みを解いて、 居合わせた人みんなで楽しむ……。
時代とともに作法もかわっていくものですし、親しい間柄ならそういう楽しみ方も
おのおのではないかと思います。


先先の「つまらないものですが」というのは敬語のひとつ、謙譲語に当たります。 
外国人が日本語を勉強す るとき、なにが難しいといって、この敬語表現ではないかと
思うのです。言葉は文化ですから、オープンに自己アピールする欧米人には、
敬語にこめられる日本的な文化を理解するには、時間がかかるのでしょう。
時代の変化もあり、日本人でも若い世代になるほど、敬語を正しく使えなくなっています。
これから先、日本語はますます混乱し、敬語は曖昧になっていくかもしれません。
が、たしなみとして恥をかかない程度には、敬語も覚えておいてほしいと思います。
言葉にはその人の心遣いや思いが投影されるもの。外から人が帰ってきたとき、
「寒くなかったですか?」という言葉をかけられる人は、相手を思いやれる人です。
優しい言葉は優しい心から、荒れた言葉は荒れた心から。
そういうものが自然と出てくるのでしょ う。


もうひとついっておきたいのは、美しい言葉を身につけようと思ったら、どんどん本、
それも良質な文学作品を読んでいただきた
いということ。日本語は世界で最も高度な、
そして美しい言語だといわれます。
せっかく日 本人として生まれてきたのに、その素晴らしさを
享受しないのでは実にもったいないことだと思いませんか。今からでも遅くはありません。
どんどん本を読ん で、良質な日本語にふれて、語彙をふやしてください。
それが美しい日本語を身につけるひとつの秘訣です。


市田ひろみ著「ええ女の作法四十四の極意」より


「子供は親の背中を見て育つ」
という言葉をよく聞きますね。
電話に出た親の受け応えを自分でも知らず知ら ずのうちに覚えて使っているという経験は
誰にでもあるはず。だからこそ他の人の見本となれるよう、例え家の中や子供の前においても
親というものはしっかりしていなければ、美しい日本語の土台は作れません。
私も電話で話す際に、つい変な敬語になってしまったり舌がもつれそうになってしまう
こともありますが、やはり日本人としてきれいな言葉を話したいと思っているので
色々な本を読んでいこうと思っています。お互い頑張りましょうね!
良質な日本語を話せる人は素敵です。

まとめ:e京都ねっと 小山


一言コラム

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