千年の都としての長い歴史の中、海から遠かった京都盆地では、
海産物の入手が困難な事から新鮮な野菜作りが求められ、
洛外における地元栽培が行われるようになりました。
そして、朝廷や寺社への献上品として国内各地や大陸から
高品質な野菜の種や高い技術等が集まり、品種改良が進んでいったのです。
また京の都は、夏は暑く冬は「京の底冷え」と言われる程寒くて、
昼夜の温度差も大きく、豊かな地下水と肥沃な土質に恵まれていた事が、
野菜作りに向いていたようです。
その好環境と技術、工夫に努力を重ねてきた農家の人々によって、
一般の品種よりも栄養価が高く、風味の良い京野菜の伝統が、現在も受け継がれています。