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NHK大河ドラマ「龍馬伝」


政権交代、情報の錯綜、諸外国との関わり。先が見えず、価値観が多様化し、何が「正しい」ことなのか
分からない-明治維新に至る激動の時代は、私たちが生きている現代と重なり合うものを感じます。
過去の人々の生き方を描くNHK大河ドラマを時代劇としてだけでなく、その奥にあるテーマをくみ取りながら
その物語を追っていきませんか?

なぜ今、坂本龍馬なのか?

「どんな時代にでも龍馬はいる、しかし時が欲しないと志は成就しない」。
そう教えられた事があります。
また「天の時、地の利、人の和にしかず」は孟子の教えです。

幕末の世は、約250年続く徳川政権のもとで身分制度が確立され、
既得権益を持っている人たちには、都合の良い時代でした。
天下が統一されてからは軍事用としての侍の出る幕は無く、
行政のみを行っていた日本。確固な身分制度の中で人々が
能力を発揮できずに不平不満を貯め、
諦めて一生を暮らしていたころ、黒船が襲来。その時の
お上の対応が誠に稚拙であったために、権威が揺らぎ始めます。
また、鎖国政策がほころび、西欧の文化を体験した者たちが、
日本との国力の差を説き、無謀な攘夷は
国を滅ぼしかねないという考えが伝播しました。

そんな時代に、坂本龍馬は、
土佐の下級武士から脱藩して無職となり、
江戸で多くの知己を得、勝海州との出会いから
グラバー、武市半平太、西郷隆盛、
後藤象二郎等と親交を深め、世の中に
引っ張り出される事になった人物です。
各地を駆けずり回り、地位や名声を
求める事よりも、近代日本への
橋渡し役となった龍馬は、いぶし銀の様に光を放ちました。
龍馬は明治維新を見る事なく暗殺されますが、死後15年経ってから、
一人の新聞記者が取り上げた事により、日の目を見る事となりました。

坂本龍馬の一生を見ると、今までの日本を世界に通用する国に変えたいという志だけを貫き、
それを天が導き、彼の人間性を慕う人達が、
彼を土佐から江戸、京都、長崎、長州、薩摩などへと動かしたのではと考えます。
茶目っ気があり、本能の導くまま人生を楽しんだかの様にも思えます。
時代の波に乗って、自分の信念を貫いた青年でした。そんな若者が日本にいた。
今また龍馬の様な人物が、あるいは生き方が、待ち望まれているのではないでしょうか。
 

大河ドラマ「龍馬伝」が描くもの

◇三人の土佐郷士の三様の生き様。それぞれの志
「龍馬伝」の前半では、土佐下級身分層の坂本龍馬と岩崎弥太郎、武市半平太 (瑞山)の
三人の生き方が描かれていきます。それぞれの育った環境や考え方も違いますが、
厳しい身分制度のもとで現状を打破したいという思いが根底で繋がっています。
彼らは自分の信じた道を一生懸命に生きていきます。

◇幕末を分かりやすく描く。龍馬とともに理解する
1クリックで世界の情勢を知る事ができる現代とは違い、
この時代は異国船の驚異に恐れ、世間が混乱する中で
一体何が起こっているのか、龍馬も困惑した事でしょう。
視聴者にとっても、この時代は様々な思想や事件が生まれ、
注釈無しでは難解です。そこで「龍馬伝」の坂本龍馬は、
分からないから誰かに聞いてみる、そのために行動に移します。
視聴者と龍馬が一体となって、問い続けながらこの時世を
理解していく仕組みとなっています。
小学5年生から大人まで楽しめる大河ドラマなのです。

◇脱藩した一浪人から、“あの龍馬”へ。
一人の青年の成長記

史実や逸話を交え、これまでに何度も大河ドラマや小説で
描かれてきた坂本龍馬。人々の思い描く龍馬は、
豪快で飄々とした「幕末のヒーロー」かもしれません。
今回、制作や演出、脚本、その他「龍馬伝」に関わる全ての
スタッフの中で一貫しているのが、
「身近な存在としての龍馬」を描くこと。坂本龍馬は
生まれた時から“あの龍馬”であったのではありません。
一人の青年、ましてや脱藩という罪を犯した浪人でした。
その一介の浪人がなぜ、薩長同盟の証人になり得たのでしょうか。
これは俳優・福山雅治さんが演じる坂本龍馬という、
等身大の青年が成長していく様を追っていく物語です。
 

放送時間

NHK大河ドラマ「龍馬伝」
NHK総合 日曜20時~、再放送:土曜13時5分~
公式サイト http://www9.nhk.or.jp/ryomaden/

一言コラム

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