・・・鬼と化すほど狂おしい恋
京都駅から地下鉄烏丸線、「五条駅」より約5分、鉄輪の井戸(見学自由)へ。
ここを舞台に夢枕獏氏が『陰陽師(おんみょうじ)・生成り姫』を書いている。元となった伝説が、謡曲『鉄輪(かなわ)』に出てくる、鬼女の話。
『夫に浮気をされ、恨んだ末に頭に鉄輪を頂いて丑の刻参りをし、挙句、鬼になってしまう。夫は晴明に依頼して呪いを解き放つ。そしてとうとう女は家の近くの井戸のほとりで息絶えた・・・。』
その井戸がここ、鉄輪の井戸。鬼女になるほど狂おしい恋をした女性、仕事とはいえ、その呪いをはね返した晴明。そこにはビジネスライクでクールな顔がかいま見える。
井戸の場所は少々分かりにくいが格子戸の前に石碑があり、その奥にある。自由に入れるが、民家の敷地内なのでお静かに。
そして鴨川に架かる松原橋の東詰。
晴明が没した時、塚が築かれ、ここに埋葬されたと言われている。
(残念ながら、今は何も残されていない)